甲状腺の病気
甲状腺とは
甲状腺は、のどぼとけのところにあり、甲状腺ホルモンと呼ばれるホルモンを分泌している臓器です。
甲状腺ホルモンには、さまざまな作用がありますが、一言でいうと「精神的にも肉体的にも体を活発にする作用」をもっています。
甲状腺の病気には、
- 甲状腺ホルモンが多くなる病気
- 甲状腺ホルモンが少なくなる病気
- 甲状腺ホルモンは正常でも、甲状腺が腫れたり、腫瘍ができる病気
があります。
甲状腺ホルモンが多いか少ないかは、血液検査で調べることができます。
(1)甲状腺ホルモンが多くなる病気
甲状腺ホルモンが多くなると「精神的にも肉体的にも体が活発になります」。
具体的には、
- いらいらする
- 胸がどきどきする
- 汗を多くかく
- 暑さに弱い
- 手が振るえる
- 食欲が増える
- 体重が減る
- 軟便、下痢
- 疲れやすくなる
などさまざまな症状が出ます。これらの一部の症状だけみられることもあります。
甲状腺のホルモンが多くなる病気は大きく次の2つに分類されてます。
1)甲状腺ホルモンが多く作られる病気
バセドウ病
プランマー病
中毒性多発結節性腺腫など
2)甲状腺の一部が壊れてしまう病気
無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎など
正確な診断が必要
このように、甲状腺ホルモンが多くなる病気には、さまざまな病気があります。
どの病気かにより、治療法も異なるので、正確な診断を受け、治療を進めることが大切です。
特に、バセドウ病の診断は大切です。
バセドウ病の治療には
- 内服薬による治療
- アイソトープによる治療
- 手術による治療
があります。
バセドウ病でなければ、これらの治療は必要ありません。
それぞれの治療法には、メリットとデメリットがあります。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 内服薬 | 外来で治療を始められる | 治療期間が長い 副作用に注意が必要(特に薬を飲み始めて、2〜3ヶ月間) |
| アイソトープ | 甲状腺ホルモンを確実に減らせることが多い | 治療後に、甲状腺ホルモンが少なくなる可能性がある 妊婦、妊娠している可能性がある女性、授乳中の女性は治療を受けられない 治療後に、バセドウ病眼症が起こったり、悪くなったりする可能性がある |
| 手術 | 早く治すことができる 甲状腺が大きい場合に適している |
手術の合併症の可能性がある 手術の傷跡が残る可能性がある |
日本では、内服薬による治療がされることが多いですが、治療期間は長期にわたることが多いため、最初の時点で正確な診断をつけておくことが大切です。
当院では、それぞれの治療法のメリット、デメリットをお話させていただき、治療法を決めていきます。最初は、内服薬で治療をして、その後、アイソトープ、手術に変更することは可能です。
(2)甲状腺ホルモンが少なくなる病気
甲状腺ホルモンが少なくなると、「精神的にも肉体的にも体が活発でなくなってしまいます」。
具体的には、
- 脱力感
- 倦怠感
- 無気力
- 汗をあまりかかない
- 寒さに弱い
- むくむ
- 肌がかさつく
- 便秘
- 話し方がゆっくりになる
- 脈が遅くなる
- しわがれた声になる
などの症状が出ます。ときどき、「ぼけ」と間違われることがあります。
甲状腺ホルモンが少なくなる原因としては、橋本病が多いです。
その他、バセドウ病の手術やアイソトープでの治療後、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎の後期などでも、甲状腺ホルモンが少なくなることがあります。
治療は、甲状腺ホルモンの飲み薬で、甲状腺ホルモンの調節をします。
(3)甲状腺ホルモンが正常な病気
甲状腺に病気があっても、甲状腺ホルモンの量に問題はないことがあります。 橋本病の方は、甲状腺ホルモンが少なくなることもありますが、甲状腺ホルモンが正常な方もいらっしゃいます。 その他、甲状腺腫、甲状腺の腫瘍などがあります。
甲状腺の病気のまとめ
甲状腺ホルモンには、さまざまな作用がありますが、一言でいうと「精神的にも肉体的にも体を活発にする作用」をもっています。 甲状腺ホルモンのバランスが崩れることにより、精神的にも、肉体的にも、さまざまな症状が出てきます。
甲状腺ホルモンのバランスが崩れる原因となる病気もさまざまで、その病気により治療法も変わってきます。放っておいても、自然に治る病気もあります。
当院では、初期に正確な診断をし、不必要な治療を避け、必要な場合は速やかに治療を始めるように心がけております。
